ウォーターセラピーを知ろう

ウォーターセラピーって何?

動物のウォーターセラピー

  • 動物のウォーターセラピー
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 動物のウォーターセラピーは、19世紀にまず馬の世界から始まりました。骨折や炎症の治療後のリハビリテーションとしてスイミングが利用されたのです。日本でも、福島県いわき市に競走馬用のプールがあり、多くの馬たちがリハビリテーションのみならず筋力強化や循環機能の向上、その他の健康維持のためにウォーターセラピーを利用しています。
 犬にウォーターセラピーが利用されるようになったのは比較的最近のことです。海や川など大自然の中で水と戯れ、泳ぐ機会を得ることは多いのですが、ウォーターセラピーは、運動療法としての効果を引き出すために、水温を30℃程度に保ち、セラピストが体調管理をしながら泳がせています。欧米諸国では、すでに多くの犬専用のウォーターセラピー施設が設けられています。

目的別にみるウォーターセラピー

若犬の健康維持

 若くて健康な犬にとって、その健康を維持するための基本的な運動は日頃の散歩です。階段の上り下りや登坂降坂を取り入れることで筋力を維持することはできますが、ウォーターセラピーは、より負荷の高い全身運動です。散歩に加え、週1回のスイミングを行うことで筋肉量の増加や心肺機能の向上に繋がり、より若々しいカラダを維持することができます。

高齢犬のロコモ予防

 健康な若犬よりもスイミングがさらに効果的なのは高齢犬です。人と同じで犬も歳をとるとカラダの様々な機能に衰えが生じてきます。特に運動が好きな犬にとって、筋力低下によって自由に動くことができなくなることは最大の悲しみです。地上歩行、特にアスファルトやコンクリート上の歩行は、足への負担も大きいため、筋力の衰えたカラダには厳しい運動になります。骨や関節への負担が少なく筋力アップできる水中運動は、高齢犬に最適な運動になります。また普段、陸上で思うように運動できない子が水中で自由に動けることは、精神的にも良い結果をもたらすと考えられます。

肥満犬のダイエット

 人と同じくダイエットは、摂取するカロリーと消費するカロリーのバランスが大切です。食事制限のみでのダイエットは筋肉量低下に繋がり、結果的に代謝が落ちて痩せにくいカラダになってしまいます。つまりダイエットは、適度な食事制限と共に健康なカラダ作りを行うことが最も有効と考えられます。しかし、肥満犬に運動させることで膝や腰などの障害(脱臼や靭帯損傷)が悪化するケースもみられます。ウォーターセラピーは、衝撃が小さく、かつ抵抗の大きい運動ですので、肥満犬のダイエットには最適だとされています。また、筋力アップによる代謝アップも期待できます。

リハビリテーション

 術後のリハビリテーションとして、筋力低下の改善や神経機能の改善を図る治療が行われます。地上ではできない、あるいはやりにくい運動でも、水の中なら容易に、かつ効果的にできることがあります。リハビリテーションとしてのウォーターセラピーは、獣医師と連携して行うことが重要です。

豆知識コーナー 水がもたらす効力
豆知識コーナー水がもたらす効力
「浮力」と「水圧」による効果

「浮力」と「水圧」による効果

 水上あるいは水中の物を上に押す力を「浮力」と言います。重力から解放されるので、関節に痛みのある犬にとっては、地上よりも快適な運動を行うことができます。
 また、深ければ深いほど大きな力で物を押す力を「水圧」と言います。軽い炎症による腫れやむくみを軽減することができます。一方で肺も圧迫されるため、呼吸に問題のある犬のスイミングは避けた方が良いです。

「粘性(抵抗力)」と「表面張力」による効果

「粘性(抵抗力)」と「表面張力」による効果

 水の中の動きに対して抵抗する力を「粘性(抵抗力)」と言います。軽い水中運動でも陸上の何倍も運動した事に相当すると言われるのはこの粘性によるものです。
 また、水の表面で動きを邪魔する力を「表面張力」と言います。粘性と表面張力の効果を最大限利用した運動が水中歩行です。

ウォーターセラピーのリハビリ適応

リハビリ効果が見込まれる症状

  • ・骨折
  • ・靭帯損傷
  • ・椎間板ヘルニア
  • ・股関節形成不全
  • ・変性性脊髄症(DM)
  • ・線維軟骨塞栓症(脊髄梗塞)
  • ・手術後の機能回復
  • ・老化による筋力低下

ウォーターセラピーご利用時の注意事項

  • ・心疾患をお持ちの場合:水中での運動は陸上に比べ心臓に負担がかかるため、おすすめできません。
  • ・呼吸器疾患をお持ちの場合:水圧により胸部に負担がかかるため、かかりつけの動物病院に相談することをおすすめします。
  • ・感染症(皮膚疾患等)、手術の抜糸前の場合:プール内での感染を防ぐため利用できません。あらかじめご了承ください。